アンジュレータを光源とし、二結晶分光器で分光した単色X線を利用できるビームラインです。
テンダーX線から硬X線領域までをカバーしています。
実験ハッチは2つあり、光源から35~40mにある第1ハッチにはウォルターミラーが設置されており、
マイクロビーム(横11ミクロン、縦0.7ミクロン(設計値)が使用できます。
ウォルターミラーはコミッショニングに時間を要すると考えられます。使用できるようになった際に
ホームページでお知らせします。
第2ハッチは光源から49~57m付近に位置し、ハッチ前方の定盤では単色X線CT測定が可能です。
最大試料径は1mm弱となります 。高分解能の単色投影イメージングも可能です。
CTでも投影イメージングでも試料と検出器の距離を広げることにより屈折コントラストによる輪郭強調や、
位相回復による位相イメージングが可能です。
第2ハッチ下流にはタイコグラフィーの装置が常設されており、これを用いた高分解能の
X線イメージングが可能です。
これについては担当のSRIS高橋幸生教授にご相談下さい。
第1実験ハッチと第2実験ハッチは約9mの真空パイプで結ばれており、第1ハッチに試料を置き、
第2ハッチに検出器を置くことによりXPCSやUSAXSのようなアドバンスト測定が行なえます。
これらについてはSRIS星野大樹准教授にご相談下さい。
なおアドバンスト測定の場合には装置の設置や調整に時間を要することがあり、
これもユーザーのビームタイムに含まれます。
実験ハッチ1 約 6m(光軸方向) x 約4m(幅) x 約4m(高さ)
実験ハッチ2 約10m(光軸方向) x 約4m(幅) x 約2.8m(高さ)
166極・周期長22mmの直線偏光アンジュレータを光源とし、液体窒素冷却Si(111)
二結晶分光器で単色化したX線ビームが利用可能です。
分光器の前に3枚組の全反射ミラーが設置され、ビームの高さを変えることなく
高調波の除去が行えます。分光器後にスリットがあり、コヒーレンスを必要とします。
測定の場合にはこれを仮想光源として利用できます。
撮影視野 | 水平1mm垂直1mm程度 |
空間分解能 | 約1µm |
画素サイズ | 0.65µm |
1試料あたりの測定時間 | 水平1mm、垂直1mm程度 |
1試料あたりのデータ容量 | 65GB (2 TB以上のUSBストレージを持参ください。) |
エネルギー |
6keVから18.3keVの間で選択できます。 通常は8.3keVもしくは15keVから選択していただきます。 その他のエネルギーは別途相談となります。 |
試料の材質について |
試料はどの方向から見てもX線が透過することが必須です。 最も吸収の大きな方向で、透過率10%以上が確保されていることが望まれます。 各種物質の透過率は CXROのホームページ で調べることができます。 |
試料サイズ |
直径が1mm以下の円柱または1辺が1mm以下の四角柱、長さは10~50 mm程度で、
観察したい部分が下から10~15mmにあるのが理想です。 横幅が1mm以上の試料は、撮影視野からはみ出してしまうため、試料の位置合わせに 時間を要することや、試料によって良好な画像が得られない場合があります。 |
サンプル固定法 | 一般的には円柱状のサンプルホルダーに両面テープなどで固定しますが、 他に粘土などの固定法があります。 |
測定方法 |
標準的な測定では、試料を0.1度刻みで180度回転させて撮影します。 撮影した1801枚の透過像から断層画像を再構成します。 |
データ移行 |
データの持ち帰りに使用するストレージには、1000MB/s以上の転送速度を備えた
ソリッドステートドライブ(SSD)を推奨します。 500MB/s以下の低速SSDやハードディスクドライブ(HDD)を使用した場合、ビームタイム中に データのコピーが完了しない場合があります。 原則として予約したビームタイム以外はビームラインのPCを使用できません。 |