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BL09U INFORMATION

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主な測定法

  • HAXPES(硬X線光電子分光法)

概要

アンジュレータを光源とし、二結晶分光器で分光した単色X線を利用できるビームラインです。 テンダーX線から、硬X線領域までをカバーしていますが、HAXPES測定においてはエネルギーを 6keVに固定して利用に供します。


ビーム特性

エネルギー 
(2.1)5~15keV
フラックス 
3.7x1012~7x1013 cps  (計算値、エネルギー、実験条件による)
※光量調整用のAlフィルターを実験ハッチ3内に設置
(50µm,100µm,150µmから組み合わせ自由に選択可能)

ビームサイズ 
※Au 30µmΦワイヤーでの測定による値
 TOA=0° < 12.5 µm(H) x 3 µm(V)
 TOA=88° < 360 µm(H) x 3 µm(V)

ハッチの大きさ

約9.5m(光軸方向)× 約4.5m(幅)× 約4m(高さ)

光源と光学系

166極・周期長22mmの直線偏光アンジュレータを光源とし、 液体窒素冷却Si(111)二結晶分光器で単色化したX線ビームが 利用可能である。実験ハッチには二枚組の高調波除去ミラーが 設置されている。下流にはチャネルカット結晶、ダイヤモンド移相子、 ウォルターミラーが設置されている。

実験ステーション

実験装置
【硬X線光電子分光装置】
検出器
【Sienta社製 光電子アナライザー】
試料について
・試料サイズ:最大16mm(縦)×14mm(横) (厚みは2.5mm以下)
※厚みが2.5mm以上の場合には、試料搬送方法を変更する必要がございます。
利用予約前に担当コンシェルジュ、もしくはビームライン担当者にご相談をお願いいたします。


・試料キャリアサイズ         ・試料マウント例(Si基板)
 :16mm(縦) × 14mm(横)       :7mm(縦) × 7mm(横) × 0.65mm(厚み)
   

カーボンテープを使い、試料を固定。
※導電性のない試料の場合、測定が上手く行えません。
導電性確保のため、試料表面に金属の蒸着処理等をご検討ください。

※試料サイズを、4mm(縦) × 10mm(横)程度までカットしていただくと、
1つの試料キャリアに3つの試料をマウント可能です。

※メインチャンバーのマニュピレーターに5つの試料キャリアが入ります。



・チャージアップ対策について

カーボンコートによる、チャージアップ対策に十分なコート厚みを調査した。
サンプルは、スライドガラス(Na2O-CaO-SiO2)に、SANYU QUICK CARBON COATER SC-701CTを
使用し、0,3,6,9,12,15 nmの6パターンでコートしたものを用意した。
0,3,6 nmではチャージアップが見られ、Na(基板情報)が検出されなかった。
9 nm以上では、スペクトルが安定し、Na(基板情報)が検出された。
また、12,15 nmに比べ基板情報の感度も良いため、 カーボンコートは10 nm前後を推奨。




・嫌気性サンプルについて

 トランスファーベッセルを用いた大気非曝露での試料搬送が可能です。
 上記のように準備したサンプルキャリアを5つ同時にセットできます。
 (サンプルの厚みは2.5mm以下)
※利用するビームタイムの前後にトランスファーベッセルを用いた実験が
行われた場合、大気曝露可能なサンプルでもトランスファーベッセルを
使った試料搬送を行うことがございます。
試料キャリアについて
試料キャリアは数に限りがあるため、事前貸し出しを行っておりません。
事前のサンプルセット等で必要であれば、ユーザー様ごとに製作していただく
必要がございます。
発注先については特に指定などはございませんが、弊財団からは同型のものを
真空光学(株)に作製を依頼した実績がございます。

試料キャリア図面は以下のとおり
※クリックするとPDFで表示されます。

・試料キャリア(プレート)


・試料キャリア(土台)


※上記キャリアを固定するのにM2-8皿ねじが必要です。(キャリア1つあたり4本)

レイアウト

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