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BL14U利用休止のお知らせ 2026/07/31


低温測定に向けた高度化および調整のため、下記のスケジュールでBL14Uの利用を休止いたします。
利用休止期間:2026年10月23日(金)~11月8日(日)、11月13日(金)~11月15日(日)


BL14U STXM 利用制限のお知らせ 2026/07/31


低温測定に向けた高度化に伴い、STXMの利用に下記に示す制限があります。
なお、低温実験については試験利用に限り実施可能です。


スケジュール
※調整の進捗状況等により期間が変更となる場合があります。その際は事前にお知らせいたします。

主な測定法

  • 軟X線吸収分光 (XAS)
  • 軟X線磁気円二色性分光 (XMCD)
  • 軟X線イメージングSXM, STXM (アドバンスト測定)

概要

BL14Uは200~1400 eVの軟X線を利用するビームラインです。ツインヘリカルアンジュレータによって、左右円偏光を1分以下の短時間で切り替えることができます。分光器としては円筒ミラーと不当間隔刻線平面回折格子を組み合わせた定偏角型を採用しています。エンドステーションにはSXM装置と、非集光XAS装置が配置されています。

SXM装置に備わっているフレネルゾーンプレート光学系では、Φ<100 nmの集光ビームを利用できます。X線の計測方法としては透過法と全電子収量法(TEY)に対応しています。装置付帯の準備チャンバーでは、金属薄膜(RuまたはTa)の成膜やイオンミリングによる表面浄化などの表面処理ができます。このSXMを用いることで、様々な物質の元素や化学状態の分布をサブミクロンスケールで可視化することが可能です。装置には最大8 Tの静磁場が印加可能な超伝導マグネットが備わっており、XMCD測定と組み合わせることで、極めて高感度に磁気特性を調べることができるようになります。

非集光XAS装置では、部分蛍光収量法(PFY)、TEY、 透過の3モードによる測定が可能です。表面とバルクの両方の情報から材料の化学状態を調べることができます。また、試料ホルダーは1度に8つまで導入することができ、座標の移動やXAS測定を自動で行うことができます。

BL14Uの紹介動画を見る(YouTube)

ビーム特性

  • エネルギー ・非集光のビームの場合 : 200~1400 eV
    ・集光のビームの場合 : 400~1200 eV の利用に適しています。
    ※400 eV以下でも測定できる場合がありますが、特に、炭素K吸収端近傍では 光学素子の汚染等の理由により、入射軟X線強度が顕著に低下します。
  • フラックス 非集光のビーム条件の場合 : > 3 x 1012 photons/s
    集光のビーム条件の場合 : > 3 x 109 photons/s
    (いずれも計算値であり、エネルギーや実験条件に依存します)
  • ビームサイズ 非集光のビーム条件の場合 : Φ数100 μm(スリット開口条件に依存します)
    集光のビーム条件の場合 : Φ100 nm以下

実験ステーション

<STXM装置>

  • 測定法透過法・全電子収量法
  • 試料サイズ最大10 mm x 10 mm(厚みは数mm)
  • 試料について 透過法: 軟X線を透過できる程度の薄片試料(~1 μm以下)
    全電子収量法: 観察対象が表面から5 nm以内に存在する導電性固体。絶縁性の場合は金属蒸着が必要。
  • 磁場環境光軸と平行に最大8 T
  • 試料ホルダー STXM試料ホルダー
  • 測定時間 測定時間

<非集光XAS測定装置>

  • 測定法部分蛍光収量法(PFY)・全電子収量法(TEY)・透過法
  • 試料について PFY/TEY: 試料ホルダーはBL08U SX-XAFSと同様。PFYは絶縁性も可。
    透過法: 最大2 mm x 2 mm、厚み1 μm以下の薄片試料。
  • 磁場磁場印加なし
  • 試料ホルダー XAS試料ホルダー

BL14UのSXM装置によるイメージング測定事例

【永久磁石の磁気イメージング】

磁区像は、右回り円偏光のイメージと左回り円偏光のイメージを取得し、2枚のイメージの差分から得られます。
Fe吸収コントラスト

軟X線 Fe吸収コントラスト像

  • 試料ネオジム磁石(熱消磁)
  • 前処理真空中で破断
  • X線エネルギー708 eV (Fe L3-edge)
  • 検出方法全電子収量法(TEY)
  • 測定時間5分
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm
  • 試料マウント サンプルキャリア
XMCDコントラスト

XMCDコントラスト(磁区像)

  • 試料ネオジム磁石(熱消磁)
  • 前処理真空中で破断
  • X線エネルギー708 eV (Fe L3-edge)
  • 検出方法全電子収量法(TEY)
  • 測定時間10分程度(5分×2枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm

【隕石の磁気イメージング】

隕石イメージング

XMCDコントラスト(磁区像)

  • 試料ギベオン隕石
  • 前処理Arイオンミリング
  • X線エネルギー708 eV (Fe L3-edge)
  • 検出方法全電子収量法(TEY)
  • 測定時間10分程度(5分×2枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm
  • 試料マウント サンプルキャリア

【元素選択イメージング】

各元素固有のX線吸収端エネルギーと、その直前(Pre-edge)のエネルギーで取得したイメージの差分から得られます。

X線吸収コントラスト

X線吸収コントラスト

  • 試料硬貨
  • X線エネルギー931 eV
  • 検出方法全電子収量法(TEY)
  • 測定時間5分
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm
X線吸収コントラスト

元素マップ(Fe)

  • 試料硬貨
  • X線エネルギーFe L3-edge:709 eV
    Pre-edge: 703 eV
  • 測定時間10分程度(5分×2枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm
X線吸収コントラスト

元素マップ(Cu)

  • 試料硬貨
  • X線エネルギーCu L3-edge:930.8 eV
    Pre-edge: 927 eV
  • 測定時間10分程度(5分×2枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm

【生体サンプルの軟X線イメージング】

鱗粉イメージング
  • 試料キチョウの鱗粉
  • X線エネルギー708 eV
  • 検出方法透過法
  • 測定時間25分程度(5分×5枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μmの画像5枚をタイリング
  • 試料マウント サンプルキャリア
マウスの精子
  • 試料 マウスの精子
    試料提供:原健士郎准教授、鈴木充子特任助教
    (東北大学大学院農学研究科)
  • X線エネルギー1028 eV
  • 検出方法透過法
  • 測定時間20分
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm
  • 試料マウント 精子サンプルの実体顕微鏡イメージ
    ・生体試料をSiNメンブレンに滴下し風乾
    ・SiNメンブレンは3 mm角、100 nm厚を使用
    ・滴下による破損防止のため窓の角付近に滴下
    ・可視光顕微鏡で座標設定
大腸菌
  • 試料 大腸菌
    試料提供:原田昌彦教授
    (東北大学大学院農学研究科)
  • X線エネルギー708 eV
  • 検出方法透過法
  • 測定時間15分
  • 視野サイズ20 μm × 20 μm
培養細胞
  • 試料 培養細胞
    試料提供:原田昌彦教授
    (東北大学大学院農学研究科)
  • X線エネルギー708 eV
  • 検出方法透過法
  • 測定時間40分程度(5分×5枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μm

【珪藻化石のイメージング】

珪藻全体

珪藻化石の全体像

珪藻中央

中央部の胞紋

珪藻外縁

外縁部の胞紋

  • 試料珪藻化石
  • X線エネルギー708 eV
  • 検出方法透過法
  • 測定時間180分(10分×18枚)
  • 視野サイズ60 μm × 60 μmの画像をタイリング

【MCDスペクトル】

MCDスペクトル
  • 試料市販ネオジム磁石
  • X線エネルギーFe L-edge(690~730 eV)
  • 検出方法全電子収量法
  • 外部磁場±1 T
    (磁場変更にかかる時間:2 min./T)
  • 測定時間約40分(10分×4スペクトル+磁場印加)
  • 測定方法 4つのスペクトルで1セット
    ① 正磁場/helicity –
    ② 正磁場/helicity +
    ③ 負磁場/helicity –
    ④ 負磁場/helicity +

光源と光学系

33極・周期長56 mmの磁石列をタンデム配置させたツインヘリカルアンジュレータを光源とし、 回折格子分光器で単色化した軟X線ビームが利用可能です。
分光器の上流と下流にそれぞれスリットがあり、エネルギー分解能の調整や、走査型イメージングに おける仮想光源として利用できます。

レイアウト