2024年4月に本格稼働を開始いたしました3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」は、お陰様で一年余りが経過し、国内外の多くの皆様にご利用いただきながら、新たな知の創造とイノベーションの創出に向け、力強い一歩を踏み出すことができました。
これもひとえに、皆様の温かいご支援と深いご理解の賜物と心より感謝申し上げます。
ナノテラスは、東日本大震災からの復興、そして東北の地に日本の科学技術イノベーションの灯をともすという熱き想いと、幾多の挑戦を経て実現いたしました。大型研究基盤が社会全体へ貢献することは基本的な責務であり、私たちはその有用性をただ唱えるだけでなく、社会課題解決へのリアリズムに立脚した具体的な行動をもって、この世界最高の「眼」で未来を拓く決意です。
この信念を胸に、私たち光科学イノベーションセンター(PhoSIC)は、新たなビジョンとして 「未来を照らし、世界を拓く。私たちの光で。」 を策定し、ここに掲げます。このビジョンの実現に向け、私たちの使命である「ナノを照らして持続可能な社会を実現する」を深く胸に刻み、役職員一同、邁進してまいります。
この一年、私たちは利用される皆様が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、最先端の利用支援体制の構築に注力してまいりました。特に、課題解決の原動力となる「コアリション・コンセプト」には多くの企業・学術機関にご参画いただき、具体的な成果が着実に生まれ始めております。これは、多様なプレイヤーが共創するイノベーション・エコシステム形成の確かな鼓動であると実感しております。
PhoSICでは、多様な才能とバックグラウンドを持つ人材が互いに尊重しあい、その専門性を結集しております。挑戦する組織文化を醸成することで、世界最高水準のユーザー支援を追求し続けてまいります。
国際情勢が複雑性を増し、先行きが不透明な時代を迎える中で、大きなビジョンが求められています。震災を乗り越えナノテラスを擁するに至った東北は、単なる経済効果の期待を超え、地域から新たな価値を創出し、日本の研究開発を力強く牽引する使命を担っていると確信しています。私たちはナノテラスの更なる進化を追求し、その光を学術の深化、産業競争力の飛躍的強化、次世代人材の育成、そして地球規模の社会課題解決へと繋げます。
これにより、揺るぎない「サイエンス・ベースド・イノベーション・エコシステム」を構築し、我が国と世界の未来に貢献してまいる所存です。
引き続き、皆様の変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
次世代放射光計画は、東日本大震災の翌年、2012年6月、東北の7国立大学が結集し設置された「東北放射光施設推進会議」に端を発します。 その後、2014年7月には、これら7大学や東北6県と経済団体による「東北放射光施設推進協議会」が立ち上がり、その流れはさらに力強いものとなりました。
さらに、国に加えて地域・民間の資金を活用する「官民地域パートナーシップ」という新たな枠組を、宮城県、仙台 市および東北大学と構築し、 産官学が力を携えながら着実に歩み続けてまいりました。
本計画は、施設の性能面の高さは申すまでもなく、運営面におきましても今までにはない、新しい形の“産学協創”によるイノベーション創出の 基盤となる施設を目指しています。
次世代放射光施設「ナノテラス」で新たな研究開発がなされ、その成果を核として世界最先端の知識と技術が集まるリサーチコンプレックスを形成し、 科学技術や産業界の競争力の向上に貢献することを祈っております。
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