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高田昌樹理事長が第74回(令和6年度)河北文化賞を受賞しました

当財団の高田昌樹理事長が、第74回(令和6年度)河北文化賞を受賞しました。

河北文化賞は、東北地方の学術、芸術、体育、産業、社会活動の各部門で顕著な業績 を挙げた個人、団体に贈られます。
河北文化事業団ウェブサイト

受賞の対象となった業績

「ナノテラスの整備と社会実装に尽力し、地域経済発展に貢献」
推挙者 七十七銀行取締役頭取   小林 英文 様
    国立大学法人東北大学総長 冨永 悌二 様

贈呈式(1月17日)での謝辞

この度は、河北文化賞受賞の栄に浴し、心より感謝を申し上げます。

この会場に入り、あらためて2011年3月11日の、あの日のことを思い出します。

播磨にあるSPring-8の副センター長だった私は、TVに映し出される惨状を目の当たりにし、 私たちに何ができるのか、一週間、考えに考えました。

そして、復興の先にある道を創るための放射光施設を建設する計画を起案しました。

その年の8月には、京都の鴨川沿いで東北大学の早稲田教授に計画をお渡しし、 東北放射光施設計画が具体化しました。 以後、東北大学、東北地域の大学や宮城県、仙台市などの地域の自治体、 東経連がけん引する経済界の皆さまの御尽力により、 このプロジェクトは地域一体となって進められました。

2015年、私はSPring-8の職を辞し、東北大学の教授としてこのプロジェクトに本格的に加わりました。 当初は、国が動かないなら私たちからと、コアリションという新たな仕組みを提案しました。 全国の企業や大学から建設費を募り、この地域が中心となって国を動かしたのです。

このプロジェクトがここまで進められたのは、関係者全員の努力と協力のおかげです。 この賞は、私個人の受賞ではなく、この取り組みに携わったすべての方々への評価だと考えています。

先日、登米市のマルニ食品の社長様からお聞きしたエピソードがあります。 ナノテラスを見学された地元のお年寄りが「ナノテラスに麺を入れると美味しくなるそうですね」とおっしゃったそうです。 このお話を伺い、ナノテラスが地域の人々にとって身近で親しみやすい存在になりつつあることを実感しました。

私たちのプロジェクトの起点となった震災から、長い年月が経ちました。 しかし、振り返れば、その背中を押してくれたのは、さらに以前に目にしたある映像でした。 2007年頃、NHKで放送された、北海道の山村で懸命に働く姉妹の姿です。 その時、私は問いかけました。 「私たちの研究は、こうした人々の生活を本当に幸せにできるのか」と。

ですから、「河北」という名の付くこの賞は私にとって、何よりも、嬉しいものであります。

昨年6月、アマゾンの最高技術責任者ワーナー・ヴォゲルス氏がナノテラスを訪れた際、こう述べました。 「産業や放射光施設が太平洋ベルト地帯に集積する中で、ナノテラスを擁する東北は、日本の最後のフロンティアであり、大きな可能性を秘めているのですね」と。 この言葉は、私たちが進むべき道を示しているように思えます。

ナノテラスは建設すること自体が目的ではありません。 この施設を、東北を世界一にするエンジンとする。 それこそが、私たちの挑戦であり、責任です。

私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。 しかし、この受賞は、これからの歩みを力強く、後押ししてくれるものです。

本日、河北文化賞という名誉ある賞をいただけたことを誇りに思います。 関係者の皆さま、そして会場にご臨席の皆さまに心から感謝申し上げます。

今後とも、ナノテラスと東北の未来のために、皆さまのお力添えを賜りますようお願い申し上げます。


左から、東北大学湯上副学長、高田理事長、七十七銀行小林頭取

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